2015/4/3 さいはてにて
映画『さいはてにて〜やさしい香りと待ちながら〜』を観ました。

日本映画はほっとんど観ないのですが、「コーヒー屋さんが舞台だし、佐々木希ちゃんも出てるし」という事で、仕事終わりにレイトショー行ってきました。(すぐ終わっちゃいそうだったんでね)

2015/4/3 さいはてにて_e0245899_229417.jpg東京で自家焙煎の珈琲豆店を営んでいた女店主が訳あって店を畳み、幼少の頃暮らしていたが訳あって離れた生まれ故郷の海岸の船小屋に店を移す。そこで出会う様々な人々と1杯のコーヒーで繋がり合い、周りを変えていく。そして自らも様々な困難を乗り越え、成長していく…というお話です。

コーヒーは、もの凄くたくさん出て来ます。
いやむしろコーヒーを中心に作られていると言ってもいいです。

小学生の女の子が小学生の女の子を接客する、というシーンがあるのですが、「酸味が強い豆とコクがあって苦みが強い豆とどっちがいい〜?」っていう、ウチの妻が普段店頭で言ってるのと全く同じセールストークを喋ってて思わず吹き出しちゃいました。やっぱそこ基本だよね!

何よりも主演の永作博美さんの立ち居振る舞い〜焙煎釜の扱いやコーヒーの抽出はもとより、ハンドピックや豆の袋詰めの仕方までが凄く様になっていて、これには唸らされました。さすが女優‼

舞台となっているのは石川県珠洲市。この能登半島の突端の街のほぼ同じロケーションの船小屋で、実際にお店をやられている二三味さんという方がいらっしゃるのですが、バックグラウンド以外はこの方がモデルになっており、劇中の珈琲指導もされています。
登場する「年季の入った銅製のドリップポット」や「茶渋で真っ黒になった円錐ドリッパー」などは、実際にお店で使っているものを小道具として使用したのかもしれません。細かい部分にもこだわりを感じます。

ただ如何せん職業病だね。背景に映り込んだコーヒーミルに「おっ、コーノのアンティーク」とか、協賛各社のロゴが大きく映る度にそこに金の臭いを感じてしまったり、とかどうでもいい所が気になって今ひとつストーリーに入り込めない自分が悲しい。。。まぁ予想された事ではありましたが。

それでも「気持ちや状態を全て台詞で説明する」という( "渡る世間方式" と呼んでいます)ひどいパターンでは無く、淡々とした中で多くを語らせずに演出と演技でそれを見せようとする流れはなかなか良いです。
また「変にオシャレに撮ってない」「ファンタジーに逃げてない」所も好感が持てました。観て損は無い作品だと思いますよ。

とは言え、上映は2週間で既に終了してしまっています。まぁ案の定と言いますか…。興味のある方はDVDの発売をお待ち下さい。
クニコロ店主以上の永作さんの「店主っぷり」と合わせて、永瀬正敏の「クソ野郎っぷり」も見所となっております。
by kunicoro | 2015-04-04 21:30 | 店主雑談
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