2015/9/1 今月のお休み
7(月)〜 14(月) *夏休み
14(月)
21(月)
28(月)・29(火)

お休みが多い月になります。ご不便をお掛け致します。

また少し先の話ですが、10/1(木)は見本市の為お店の営業をお休みさせていただく予定です。また改めてお伝え致します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いやーしかし何なんでしょうかねぇこの天候は…
この時期一度涼しくなってもまた暑さの戻りがあるのが常ですが、今年はどうやら残暑も終わりっぽく。

アイスの動きは急激に鈍ってしまい、かと言って結構湿度が高くて蒸し暑い日もあるのでホットにはまだ早く。。。コーヒー屋にとっては悩ましい日々が続いております。

ご存知でしょうか、アイスブレンドはホットで淹れてもとても美味しいということを。
精製法の異なる2種のブラジルや深煎りに耐え得るコロンビアなど、定番ブレンドNo.4よりもかなり高ランクの豆を専用で使用しています。ぜひお試し下さい!
# by kunicoro | 2015-09-01 12:33 | 店からのお知らせ
2015/8/21 夏休みのお知らせ
9/7(月) 〜 9/14(月)
お休みとなります。

ご不便をお掛けしますがよろしくお願い致します。
# by kunicoro | 2015-08-21 17:13 | 店からのお知らせ
2015/8/21 作家の珈琲
2015/8/21 作家の珈琲_e0245899_9514054.jpg平凡社コロナブックス・作家の○○シリーズの新刊、『作家と珈琲』がとてもいいです。

池波正太郎、松本清張、安岡章太郎といった昭和を代表する作家たち(総勢25人。何故か健さんも入ってる。)と珈琲の特別な関係。
珈琲を味わうということが、今よりも少し特別なものだった時代。お気に入りの場所や店、道具やカップ。珈琲のお供に愛したお菓子やケーキ。
作家本人が遺した珈琲についてのコラムや、近しい人たちによる作家と珈琲にまつわるエピソードが満載で面白い。


全体を通し、写真がすごくいいんです。当時(昭和40〜50年代中心)のものと今回新しく撮影したものと混ざってるはずなのに、全く違和感が無い。登場する喫茶店の内装も自宅のアトリエやダイニングも、当時から何ら変わらずに存在し続けているということか。。。

この本を見ると、「モノの選び方の基準」みたいなものが今と全然違ったんだろうなぁということを感じます。
それぞれに珈琲を味わう為の拘りや特別な思い入れがあるんだけれども、今の時代よりももっと本能に忠実というか。

例えば北欧雑貨なんてまだそんなに浸透してなかった頃だと思うんですけど、カップ周り全てアラビアのルイージャだったりする。お茶菓子もロシアチョコレートじゃなきゃ駄目だ!とか。
きっと少ない情報・限られた選択肢の中で経験を積み、自分の好みに本当に合う良いものを選んで使い続けていたんでしょうね。ルイージャを割ってしまっても、ルイージャを買い足したんじゃないだろうか。

書斎やアトリエの閉鎖された空間で、自分と向き合いながら創作に励む作家という職業の人たちだからこそ、「珈琲を味わう」ことに特別な意味を見出していた人が多かったのかもしれません。

今は自分の代わりにモノを選んでくれる人がたくさんいますよね。「スタイリスト○○さん愛用の○○」「料理家○○さん絶賛の○○」とか。
別にどっちがいいとかどっちが豊かな生活かとかそういうことでは無いです。ただ「違うよなぁ」というだけです。
自分も今までアマゾンにどれだけ払ったことか。消費されなきゃ新しく産まれない世界ですから。
ただなるべく「本当の価値」を考えてモノを選びたいとは思います。でも実際は「失敗した選び方をしても納得する余裕を持つ」くらいしか出来てないかもしれませんが。

この前あるお客様がよく似た話をされてました。
自分より一回り以上は年上のパン職人の方なのですが、「仕事との向き合い方」の面で密かにリスペクトさせていただいており、お言葉を頂戴しては裏で隠れてメモったりしています。
その方はジャズやクラシックなどに非常に造詣が深いので音楽の話なのですが、音楽の聴き方も昔と今とじゃ全然違うよね、という。
雑誌を見れば評論家のレビュー、ショップにはスタッフ手書きのキャプション、買う前に気軽に試聴、ポチっとやれば翌日届くCD。そして月額聞き放題のストリーミングサービス。

" 失敗しない環境作りや商品選びの幅はもの凄く整備されてるんだけど、結局それって自分で選んでるというより「誰かに選ばされてる」んだよね。若い頃はストレスが多いから感情を刺激されるとすぐ受け入れちゃうけども、自分に本当に必要なもの、最後に残るものはもっとストイックで抑制されたものなんだけどなぁ " と。
ただその方も今の現状を嘆いているという事では決して無く、ただ「違うよね」というだけなんですけど。
" どんな音楽の聴き方をしてるのか、今の10代・20代の子たちとゆっくり話してみたい" とも仰ってました。この辺は流石だなと思います。

着地点の無い話を続けて本題から逸れてしまいました。本のことに戻ります。
とにかく喫茶店好きな方はかなりハマると思います。西荻こけし屋や吉祥寺くぐつ草、新宿DUGといった個人的にも馴染みあるお店が多く登場するのも嬉しく。山口瞳さんの項では20年以上前のロージナ茶房の姿も拝めますよ。
# by kunicoro | 2015-08-21 17:10 | 店主雑談
2015/8/1 今月のお休み
3(月)
10(月)・11(火)
15(土)・16(日)・17(月)
24(月)
31(月)

お盆の週の後半、土日をお休みいただき3連休とさせていただきます。
ご迷惑をお掛けしますが宜しくお願い致します。

また9月前半に1週間ほどの夏休みを取らせていただく予定です。
合わせて「お休みカレンダー」を作成しましたので店頭でお取り下さい。
# by kunicoro | 2015-08-01 00:00 | 店からのお知らせ
2015/7/30 サードウェーブを今更考える
おそらく今年の流行語大賞にもノミネートされることでしょう。そして今や独り歩きを始めた感もあるこのワード。

ただウチのお客様の間では「別にどうでもいい」というスタンスなのか意外と認識されておらず、また個人的にちょっと思うこともありますので少々書いて見たいと思います。(長いです。)

サードウェーブ(第3の波)
『豆の産地やばいせん方法にこだわり、1杯ずつ丁寧に淹れるコーヒーを指す。コーヒー豆の生産技術や流通網の発達でコーヒーが身近になった「第1の波」、専門店がチェーン展開した「第2の波」に続く、新しい潮流を意味する。米国のコーヒー業界で広まった表現とされる。』
〜ある日の読売新聞より抜粋〜

あくまでもアメリカ発祥の「波」ですが、その都度(多少形を変えながら)日本へも入ってきているわけです。そのキーワードとしてはこんな感じでしょうか。

「第1」1970年代〜
⚫喫茶店、マスター、自家焙煎
⚫ブルマン・モカ・キリマンジャロ
⚫MJBブレンド、違いの分かる男(ネスカフェゴールドブレンド)

「第2」1990年代〜
⚫スタバ、タリーズ
⚫エスプレッソ、ラテ、カプチーノ
⚫フレンチロースト、イタリアンロースト

「第3」ゼロ年代〜
⚫ブルーボトル
⚫スペシャルティコーヒー
⚫浅煎り、ハンドドリップ

「第2」で大きくなり過ぎたコーヒー市場への反動のような形で、主にアメリカ西海岸を中心に広がったムーブメントが「サードウェーブ」です。
豆もエスプレッソ用に深煎りのマシン抽出がメインだったのを、本来の個性が分かりやすい浅煎りの豆を手で淹れる。質の良いコーヒー生豆がどんどん生産されるようになった時代背景も伴っています。まるで果汁のようなフレッシュ感溢れるコーヒーはちょっとした驚きでした。
また元々お金の無い小さなロースターが、使われていない倉庫などを自分たちで改装した独特のオシャレ感ある内装なんかも新鮮でした。それはまたたく間に広がり、大きな「波」とまでなったのです。

でもね。

『豆の産地やばいせん方法にこだわり、1杯ずつ丁寧に淹れるコーヒーを指す』

ってのはちょっと大雑把過ぎです。
そんなの自家焙煎の喫茶店のマスターはずっと昔からやってます。それが「新しい」っていうのは逆に今までどんだけ丁寧に淹れてなかったんだと。

ブルーボトルの社長は日本の喫茶店文化を大変リスペクトしてくれており、『カフェバッハ』や渋谷の『羽當』には来日の度に行くそうです。ブルーボトルで使っている陶器の一つ穴ドリッパーは、バッハと同じ日本のボンマック製だったりします。
つまり日本ではずっと当たり前に存在していたコーヒー文化が逆輸入のような形で入ってきた、という側面もあるわけです。

で結局何が言いたいかというと、「別にそんなにありがたがる必要は無い。」ということです。
日本には多くのマスターたちが長年培ってきた素晴らしいコーヒーや喫茶の文化があるのに、そんなに一喜一憂して持ち上げることはありません。あんなドリップスタンドみたいなので2〜3杯まとめて淹れやがって、もっと気持ち込めろや!くらいのスタンスでよいかと。

解せないのはユーザーだけでなく、業界内でもそっちに寄って行こうとする動きが強いこと。『生豆商社主催・清澄白河サードウェーブコーヒーショップツアー』なるものが行われてたり。。。自分で勉強しようよ。大勢で来られる店もいい迷惑だよ。

もう一つ言うと、本来サードウェーブは「考え方」とか「思想」とかがあった上での「ムーブメント」なわけで、決して「スタイル」ではありません。
その呼称も、同じ時期・近いエリア・似た考えの人たちが盛り上がったのを誰かがそう呼んだだけで、彼らは自分たちを「僕たちサードウェーブです。」とは言わないだろうし、店のロゴに「サードウェーブコーヒー○○」とか入れてる店があったとしたら、それはあくまで「サードウェーブ風の店」ということなんだと思います。

なのに何かムーブメントが盛り上がってくると、そのスタイルだけが先走りするのはよくある構図です。主に大きな資本と一部マス媒体の仕業なんですけど、それにしてもここ最近の騒ぎは中身が浅い。。。浅いのは焙煎だけでいいのですが。
やはりユーザー側がその辺りをよく気にしてないと、結局は何処かの誰かの思うツボということになり、一過性のブームで終わって文化としては根付かないのでしょう。

ただスタート地点が違うなりにも日本独自の「サードウェーブ」発展の仕方はあるはずで、牽引している若手のロースター達なんかはこの盛り上がりを余所に、ちゃんとその辺分かってるんだろうとも思います。誰とも面識は無いのであくまでそんな気がするだけですが、そこは救いかなぁ。

最近では「サードウェーブ系男子」なるワードも生まれ、辛酸なめ子なんかにネタにされてしまってる部分もあるようです。
付き合ってる彼氏がサードウェーブコーヒーにハマり、ウンチクを語ったり上質なライフスタイルみたいなのを押し付けてくるようになって正直ウザい、というもの。
そしてその中の一部男子たちの間では、「次は純喫茶」的な盛り上がりが注目され始めているというもの。。。
ここまで行くと完全に独り歩きだよな〜

サードウェーブ系男子と付き合う女性 時々ウザい状況を語る
サードウェーブコーヒー流行で昔ながらの純喫茶再評価の動き

これから先、「純喫茶風の店」がたくさん出来てくるのかと思うと、かなり複雑な思いにも駆られます。。。

いろいろ書いてしまいましたが、多くのスタイルがあった方が何かと面白い、というのもまた事実です。コーヒーなんて本当に個人の嗜好が反映するものだと思います。いろんなコーヒーを飲んで、気に入ったものを選べばいいだけです。

ただ米とか野菜とか服とか何でもそうですけど、表面的な情報だけでなく「そこにある店(主)の思い」みたいなのを感じ取ることが大事なのかなぁと思うのです。そして店をやってる人間からすると、それは嬉しい事この上ないものです。

ウチの店はほぼ「家で毎日飲むコーヒーが少しでも美味しくなれば」に特化してやっちゃってるので、時間かかるし喫茶も無いしスペシャルティも少ないですが、それでも来店して下さるお客様は何か感じ取って下さっているのだと勝手に思い込みながら、今日も豆を焙煎しています。
# by kunicoro | 2015-07-30 15:20 | 店主雑談